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【レビュー】『デッドライジング ウォッチタワー』はゲームのファンならニンマリできる映画です【ネタバレあり】

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出典:CAPCOM:デッドライジング ウォッチタワー

 

みなさんはXBOX360で発売されたデッドライジングという名作ゾンビゲームをご存じだろうか。

プレイヤーの行動次第で変化するマルチエンディングや、武器や衣装を自分好みにカスタマイズすることで周回しても新鮮に楽しめる良質なゾンビゲーだった。

そんなデッドライジングも2までは高評価を得ていたものの、続編が発売されるごとに評価が落ちていき、最新作の4では満を持して人気キャラであるフランクさんを主人公にしたものの、PS4版では擁護できないバグ祭りに見舞われた。

挙句にバグを修正するためのアップデートファイルにPS4本体を破壊するといったデストロイ機能まで搭載されていることが判明し、救いようのない正真正銘のクソゲーになってしまったのである。

 

そして2015年、そんなデッドライジングの没落を象徴するかのような映画が爆誕した。

それがこちら、

 

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デッドライジング ウォッチタワーだ。

 

いろいろと残念な本編

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本作は人気ゲームの実写化ということもあり、ファンならば誰もがニヤリとしてしまう要素がふんだんに盛り込まれている。

例えば作中にはゲーム版の1の舞台となった『ウィラメッテ』や2の舞台である『フォーチュン・シティ』の名が登場する。

また、ゾンビウイルスに感染した人間は24時間後にゾンビ化するという設定や、ゲームでプレイヤーに強烈な印象を与えたサイコパスピエロのアダム(っぽいゾンビ)の登場や、感染者のゾンビ化を抑制するための薬である『ゾンブレックス(ゲーム版の2で登場した)』が物語のカギを握っているなど、これでもかとゲーム版の要素が満載なのだ。

しかし、この過剰なファンサービスが仇となり、設定はどれもこれも中途半端。複線も引くだけ引いて回収せず、肝心のストーリーも問題は何も解決せずに無理やり終わらせた感の強い投げっぱなしエンドとなっている。

2010年に公開された日本版はそのあまりの酷さに「どんな判断だ」「金をドブに捨てる気か」*1と散々な言われようだったが、それから5年たった海外版も負けず劣らずのクソ映画になると誰が予想しただろうか…。

 

詰め込みすぎた要素たち

珍走団との戦い

ゾンビパニックに陥り無法都市と化した街に、世紀末のヒャッハー集団が登場するのはお約束である。

その流れを汲み、ゲーム版に登場したようなヒャッハー珍走団が映画にも出てくるのだが、なぜか途中からゾンビそっちのけで珍走団とのバトルがメインになる。

で、そのままクライマックスまでヒャッハー。

 

武器をDIY!これぞデッドラ!

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あれとこれを組み合わせて自分だけのオリジナル武器をつくるぜ!DIY!日曜大工!つくってあそぼ!

合体武器の存在はデッドライジングシリーズ通してのお約束であり、醍醐味みたいなものなんだけど、どうやら映画版もそれをしたかったようで。

要所要所で工作するシーンやら合体武器で戦う場面やらが出てくるんだけど、大抵は役立たずですぐに捨てられてしまう。挙句、ゾンビに奪われて丸腰で逃げ惑う。

もうちょっとゾンビを派手にバッサバッサなぎ倒すシーンとかあっても良かったんじゃ…?それこそ主人公が無双してこそのデッドラみたいなところあるじゃん?

だけどこの映画でワクワクしているのは珍走団だけ。ゴロリしてるのは吹き飛んだゾンビの頭です。

 

軍の思惑とは…!?

中盤からしれっと現れて本編を乗っ取る米軍のみなさん。

途中まで主人公たちの仲間っぽい雰囲気を出しておいて、実はこのパンデミックの首謀者は軍でしたー!混乱に乗じて民間人に埋め込んだICチップで行動を管理するのが目的でしたー!

……ってこの設定いる?

ただでさえ回収されていない伏線だらけで訳わかんなくなってるのに、もう設定が大渋滞起こしてるんですよ。

それと海外のゾンビ映画は何かにつけて空爆すりゃいいと思ってやがる。汚物は消毒だー!ヒャッハー!

 

フランクさんいらんかったんちゃう?

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ゾンビパニックに陥ったウィラメッテの生存者として英雄扱いされているフランクさん。ゲームでのフランクさんは口も悪いし皮肉屋だけど、情に厚くて頼れる漢というナイスガイだった。

一方、映画でのフランクさんは調子に乗ったタダのオッサン。ニコラスケイジのパチもんみたいな胡散臭い風貌もさることながら、空気の読めないおバカキャラにされていて全く魅力が感じられない。

ここまで設定をゲーム版に寄せておきながら、作中で最も人気の高いキャラの人格を崩壊させるだなんて正気の沙汰とは思えない。

しかも結構な頻度で出てきて、そのくせ本編にはほぼ関係のないシーンが多いもんでテンポも悪くなっている。

フランクさんが不憫で仕方ねぇよ…。

 

途中で2回目だということに気が付いた

本作を視聴するにあたり、序盤からずーっと引っかかるものがあった。それは強烈な既視感。

パッケージも見覚えがあるし、話の展開にも見覚えがある。このシーンもあのシーンもどっかで見たことあるんだけど…。気のせいかな?

と思っていたのだけど、珍走団が出てきたタイミングで思い出しました。

 

「過去にこの映画見たことあるやんけ!」

 

気付くまでに40分かかりました。

なぜ、過去に一度見ている映画をこれほどまでにも思い出せなかったのかというのも時間が経つにつれ徐々に思い出してきて、クライマックス直前でそれは確信に変わった。

 

「あー、そうだ。この映画、絶望的につまんなかったんだ。」

 

あまりにも展開が退屈だったので酒を飲みながらYoutube見て、ついでに本編を流し見で済ませていたのだ。そりゃ内容も覚えてねぇわ。

 

機会があれば続編も見てみようとは思うけど…

ちなみに、本作の翌年には『デッドライジング:エンドゲーム』というタイトルで本作の2作目が出ている。

日本では公開されていないようで、その存在を本記事を書くにあたりいろいろと調べている最中に知った。とにかくそのくらい話題にならなかった。

まぁ、あれだけ思いっきり続編を意識した作りにしていれば当然だよなぁと思いつつ、わざわざ海外の動画サービスを利用してまでこの続編を見たいかと言われれば……。

機会があれば見てみようと思います。(機会があるとは言ってない)

*1:2010年当時、カプコンの執行取締役を勤めていた稲船敬二氏が社内会議の中で、とあるゲームの企画に対して発した迷言。デッドライジングの総合プロデューサーである稲船氏が自ら手掛けた映画であったことから、この言葉がそのまま流用された